新型コロナウィルス禍での修学旅行実施は大丈夫?感染防止などの安全対策は? 旅行会社社員の目で徹底解説。

旅行業界の裏事情

2020年6月19日より、都道府県をまたぐ移動について全国的に緩和すると安倍首相より発表されました。

このまま行けば、7月10日からはステップ3、そして8月1日を目途にさらに緩和されていく予定です。

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室発行「移行期間における都道府県の対応について」より抜粋

修学旅行を控える学校の先生方や保護者の方、そして生徒のみなさんにおいては、政府のお墨付きで実施が可能になったものの、

「修学旅行は本当に行って大丈夫なのか」

「もし現地で感染したり、何かあったらどうしよう・・・」

というのが本心ではないかと思います。

そこで旅行会社の裏事情として、旅行会社をはじめ各関係機関では、新型コロナウィルス感染防止のためにどのような取り組みをしているのかまとめてみました。

新型コロナウィルス感染対策

旅行会社

旅行会社では、修学旅行を契約している学校に対して、新型コロナウィルスに関する対応ガイドラインを提示しています。その文書は次の通りで、2020年6月23日付で発行された第2版が最新です。この文書は日本旅行業協会が発行したものですが、文部科学省から同様のものが学校に渡っています。

   >>> 旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き(第2版)

この文書は日本旅行業協会のHPに載っており、パスワード等不要で誰れでも閲覧することが可能です。

大まかに言うと、こんなことが書いてあります。

【具体的な感染防止対策】

・団体行動中は、可能な限り人と人の距離を取り、場合によりお互いの会話を控えて頂く等の留意をして頂きます。

【営業担当者、添乗員向けの対策】

・添乗員は予備として、携帯用の消毒キット、マスク、体温計、白手袋等を用意いたします。

【お客様(児童・生徒様、教職員の皆様、その他の同行関係者)向けの対策】

・児童・生徒様に旅行中の感染防止対策(感染予防の行動、手洗いや咳エチケット、乗り物乗車中や食事中、大浴場利用中の会話を控える等)の事前指導を実施頂き、対策の実行と理解・協力をお願い致します。

このほか、運輸機関や食事施設、宿泊施設などについても記載があります。

何か特別なことをするわけではなく、普段から行っているソーシャルディスタンスの確保や、マスク着用等による飛沫拡散の防止などを修学旅行中も継続しましょうということです。

少し話がそれますが、元々和式旅館で契約していた学校が、新型コロナウィルスを理由とする日程変更をする際にホテルタイプの宿舎に変更を望むケースや、食事スタイルについてバイキングのところをセットメニューへの変更を望むケース、食事会場そのものを2回転にしたり分割会場を希望するケースなどが出てきています。いずれもソーシャルディスタンスを確保するためですね。

次はホテル業界についてお話しさせていただきます。

ホテル・旅館

ホテル・旅館については関係団体が2つあります。その両方から感染予防のガイドラインがでております。

■一般社団法人日本ホテル協会

   >>> ホテル業における新型コロナウィルス感染症拡大予防ガイドライン

修学旅行に関係するところを抜粋すると、食事スタイルでよくあるバッフェ(バイキング)での提供のときは、今までのように自由に料理を取るのではなく、ホテルスタッフによる取り分けか、お客様ひとりひとりに手袋をお渡しすることも考えられるとあります。

最近、近所のバッフェ(バイキング)スタイルのレストランに行きましたが、利用者ひとりひとりに使い捨てのビニール手袋を渡して、それでトングを扱うようにと説明がありました。また、料理台に行くときはマスクなしで行くようになりますが、さすがに日本人のすばらしいところで、料理台前で会話をするひとはいませんでした。

■全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会/日本旅館協会/全日本シティホテル連盟

   >>> 宿泊施設における新型コロナウィルス対応ガイドライン

こちらも修学旅行関係のところをピックアップすると、ホテルタイプと旅館タイプの大きな違いは、旅館タイプには大浴場があることです。こちらのガイドラインによりますと、次のようなことが記載されています。

・浴室、浴槽内における対人距離の確保の要請 ・浴室、浴槽内における会話を控えることを要請

また、脱衣場で対面での会話をしないようにとか、貸しタオルの中止などといったことも記載されています。

日本ホテル協会のガイドラインとの違いをもう少し。全国旅館ホテル連合会のほうは、

★(家族等普段生活している人以外との相部屋) ・同居者以外との相部屋の場合は、相手の同意を得ることに留意。 また、団体旅行や修学旅行の場合、ツアー出発前に事前に参加者への確認を行うことを要請。

という、より突っ込んだ内容のこともガイドラインとして盛り込まれています。

次は、JR線をはじめとした鉄道各社です。

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鉄道

鉄道のほうは、旅客に対してこれをお願いというのは無いようです。鉄道会社側から、〇〇を呼びかけるとか、周知を行うとか、そういう内容の文書です。

■鉄道連絡会

  >>> 鉄軌道事業における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン

鉄道連絡会はこのような会社が加盟しています。

○鉄道連絡会 構成員(順不同) ・北海道旅客鉄道株式会社 ・東日本旅客鉄道株式会社 ・東海旅客鉄道株式会社 ・西日本旅客鉄道株式会社 ・四国旅客鉄道株式会社 ・九州旅客鉄道株式会社 ・日本貨物鉄道株式会社 ・一般社団法人日本民営鉄道協会 ・一般社団法人日本モノレール協会 ・一般社団法人日本地下鉄協会 ・一般社団法人公営交通事業協会 ・公益社団法人鉄道貨物協会 ・第三セクター鉄道等協議会

また、JR東海のHPでは、新型コロナウィルス感染症対策に関する取組みという文書がパワーポイントで掲載されています。指定席券の発売方法などはここでは関係ありませんが、車内の換気や消毒作業をしてくださっている部分は参考になると思います。

   >>> 新型コロナウィルス感染症対策に関する取り組み

航空機・空港

航空機や空港関連では、定期航空協会と全国空港ビル事業者協会から文書が出ています。航空分野の従業員向けの対策からはじまり、5ページ目からは利用者向けの感染予防策にも触れています。

■定期航空協会・全国空港ビル事業者協会

   >>> 航空分野における新型コロナウィルス感染拡大予防ガイドライン

【空港で】

利用者に対してマスク着用を要請するほか、空港でのサーモグラフィーによる体温測定で37.5℃以上の発熱があり、咳や倦怠感等の症状が見られるなど感染症が疑われる場合は、搭乗のとりやめを要請することとあります。

【機内で】

旅客にはマスク着用を要請し、会話はなるべく控えてもらう。高熱等の症状が見られる者が発生した場合の対応として、隔離スペースを設ける。

機内は密閉空間になりがちですが、機内の空気は3分ごとに入れ替わります。参考までにANAの空気循環についての記事を転載します。

ポイント1:きれいな空気と十分な換気量 上空のきれいな空気を大量に取りこみ、約3分で機内の空気がすべて入れ替わります。
ポイント2:高性能フィルター(HEPAフィルター*)を全機に装備 機内の空気は高性能なフィルターでろ過された上で、客室内に供給されています。 病院の手術室の空調設備にも使用されているフィルターです。
ポイント3:空気は客室内に滞留せず、常に天井から床下へ流動 空気は常に天井から供給され、左右の壁の下部から床下へ流れており、客室内や特定の場所に滞留することはありません。
ポイント4:IATA(国際航空運送協会)は、「航空機内では感染リスクが低い」と発表

同記事によりますと、ポイント2のHEPAフィルターについて、さらに次のように詳細を述べています。

HEPAフィルターは、SARSなど過去の感染症パンデミックの際にも対策として有効視された、0.3ミクロンもの細かい粒子をとらえ、空気中の99.97%以上の不純物等をろ過する機能を持っています。メーカーの見解でも、このフィルターで新型コロナの飛沫を吸着できるとしています。

新型コロナウイルスの直径は、0.1ミクロン(μm)と言われています。飛沫感染の場合、実際の飛沫の大きさ=0.5ミクロンが補集できれば良いことになります。

HEPAフィルターは、0.3ミクロン以上の粒子を99.97%の捕集能力があり、かなり有効な空気清浄の仕組みです。

https://www.ana.co.jp/group/about-us/air-circulation.html

航空機に対して偏見を持っていましたが、どうやら普通に生活しているよりも安全な場所のようです。私自身も調べてみて安心しました。

貸切バス

公益社団法人日本バス協会というところからガイドラインが出ています。4ページ目から利用者への協力依頼として、「手指消毒」「小グループ単位での乗下車」等の要請を旅行会社を通して依頼するとしています。

   >>> 貸切バスにおける新型コロナウィルス対応ガイドライン

また、大型観光バスのメーカー毎換気能力についての一覧や、車内換気の動画も同記事には掲載されていて、一歩踏み込んだ内容になっています。

バス車内が密になるので、1人2席利用にできないかとお考えの先生もいらっしゃると思いますが、

バスはコロナ感染症に対して、十分に安全な乗り物であることを、リーフレットや動画等も活用しながら、利用者や一般国民に十分 PR する。

とのことです。どうやら貸切バスも安心な乗り物のようです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

修学旅行の安全な実施のために、各関係機関が必死に感染防止策を講じていることが、私もこの記事をまとめていて良く分かりました。私が感じたのは、物理的に密になりがちな航空機・鉄道・バスなどは、実は換気性能に優れていて、普通に生活しているよりもそれらの車内にいたほうが安全なのでは?ということです。むしろ不用意に自分たちの判断で密を作らないほうが大切なような気がします。

最後に、修学旅行先として人気のある京都からの文書を紹介します。門川大作京都市長から京都への修学旅行実施の依頼分を、各教育委員会に宛てたものです。

   >>> 京都への修学旅行の実施について(ご依頼)

一部抜粋して以下に紹介いたしますが、修学旅行の受入について万が一の備えも含めて真剣に考えてくださっているんだなという姿勢が伝わってきます。「修学旅行生専用の24時間感染電話相談窓口の開設」の電話番号がどこにも掲載されていないというツッコミどころがあるにはありますが(汗)

1 修学旅行専用電話相談窓口の設置

京都への修学旅行を検討中の学校からの,新型コロナウイルス感染症をはじめ,修学旅行に関する様々な相談等に対応します。

・電話番号 075-744-1308(京都観光推進協議会事務局)

・受付時間 平日午前9時~午後5時

2 修学旅行生に発熱等の感染疑いが生じた場合に備えた特別の対策

① 修学旅行生専用の24時間感染電話相談窓口の開設 (?)

② 適切な検査・医療体制の整備

③ 検査結果が判明するまでの待機場所の確保

④ 感染が判明した場合の入院から帰宅までの学校・保護者と連携した対応について,観光関連事業者と連携し,準備を整えます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

<追伸>

このページで紹介した記事は、全て当該団体がホームページ等で公開している、誰れもが自由に閲覧できるものです。旅行会社から学校へは必要に応じて紹介しているものがありますが、各ご家庭ではこれらの情報を知らなかったり、情報が入ってこなくて不安に思われる方も多数いらっしゃると思いましたので、このようなブログ記事を作成してみました。ほんの少しでもお役に立ち、ほんの少しでも安心していただけたら幸いです。

<付録>

次亜塩素酸水を使って、モノのウィルス対策をする場合の注意事項

※経済産業省より

全国630店舗以上!もみほぐし・足つぼ・ハンドリフレ・クイックヘッドのリラクゼーション店【りらくる】

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マイルの宝箱 | 管理人

おさむらい
おさむらい

JALときどきANA、時によりUAのマイルを貯めている陸マイラーです。目線を低くして、初心者の方や主婦の方など、誰れにでも優しく簡単にマイルを貯められるような情報提供を目指しています。旅行会社勤務ですが、添乗ではマイル加算運賃で乗れる筈もなく、もっぱらクレジットカードやポイントサイトでマイルを稼いでいます。旅行業界の裏話や、My Lifeのカテゴリーでは自分の好きなものを記事にしています。よかったなと思っていただける記事がありましたら、ぜひお友達にもご紹介ください。

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